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トイレの水がとまらない症状の原因と対処法:イメージ

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トイレの水がとまらない症状の原因と対処法

更新日:2023/03/10
トイレの水が流れ続けているときには、トイレのタンク内でトラブルが起こっている可能性があります。この記事では、トイレの水が止まらないときの原因や対処法についてお伝えしていきます。

まずはトイレのしくみについて理解し、水が止まらない原因を考えてみましょう。
目次 [非表示]

基礎知識.トイレタンク内の部品と仕組み

トイレタンク内の部品

対処法を説明する前に、ここではトイレタンク内の部品としくみについてお伝えします。まずはトイレタンク内に入っている部品の役割を見てみましょう。

トイレタンク内の部品
  • ボールタップ
    トイレタンク内の給水設備で、便器に水が流れたときにタンク内に再び水を貯める役割があります。タンク外の給水管とも繋がっていて、洗浄水や手洗い水の出し止めもここで行われています。
  • 浮き球
    タンク内に浮かんでいるプラスチック製の球体です。タンク内の水位が下がると浮き球も一緒に下がり、浮き球が下がるとボールタップのバルブが開いて給水が始まります。給水されて水位が高くなると浮き球も一緒に上がり、ボールタップの弁が閉じて給水が終わります。
  • フロートバルブ
    水洗レバーの鎖の先についているゴム玉で、排水口の水を流したり止めたりする役割があります。新しい製品では、ゴムではなくプラスチックになっていることも。
  • オーバーフロー管
    部品の故障によって水が止まらなくなった時に、タンクから水が溢れ出さないように調整する役割があります。オーバーフロー管には水位基準線(WL)が書かれており、WLよりも水位が低かったり高かったりする場合には不具合が起こっている可能性があります。

部品について理解いただけたと思うので、トイレが流れるしくみを見てみましょう。

水洗レバーを回すとレバーに繋がっている鎖が持ち上がり、フロートバルブが持ち上げられます。すると排水口が開いて便器に水が流れ、タンク内の水位が下がるとともに浮き球も下降。浮き球が下降するとボールタップの給水弁が開き、タンク内へ水の給水が始まります。水が溜まっていくとともに浮き球も上昇し、ボールタップの給水弁が閉じて、給水完了です。

ここまでが、トイレを使った時の一連の流れです。

トイレの水が止まらない時の初期対応とは?

トイレの水が止まらない時には焦って部品を触らずに、これから説明する方法を試してみてください。

トイレの止水栓を閉める

トイレの水が止まらない時には、すぐに止水栓を閉めてください。止水栓が開いていると、水が止まらない原因を解決するまでずっと水が流れ続けてしまうからです。止水栓はトイレタンク横の給水管バルブにあり、手またはマイナスドライバーで回すことができます。

止水栓は時計回りに回すと閉まり、反時計回りに回すと開くので、水を止めるときには時計回りに回します。止水栓を閉めるときには「止水栓を何回回したか」を必ず覚えておいてください。止水栓はタンクの水量を調節する役割もあるため、修理後には元の水量に戻さなければならないからです。回した回数を忘れてしまうと水量の調整が大変になるので、忘れないようにメモをとっておきましょう。

ウォシュレットの場合コンセントを抜く

※ウォシュレットはTOTOの登録商標ですが、この記事では便宜上、温水洗浄便座全般をウォシュレットと呼称しています。

ウォシュレットがついている場合は、まずコンセントを抜いてみてください。リモコンの電池が切れてしまったときには遠隔操作ができなくなり、ノズルからの水が止まらなくなるからです。また、電源に不具合がある場合にも水が止まらなくなる可能性があります。

電池と電源のどちらが原因にせよ、一度コンセントを抜いてウォシュレットをリセットすることで症状を改善することができます。この操作で水が止まれば、トイレタンクには問題ありません。

「水の流れ方」で判断する水が止まらない原因

トイレの水が止まらない原因は「水の流れ方」でも判断することができます。ここでは水の流れ方別に、考えられる原因をお伝えします。

便器内に水が流れ続けている場合

便器内に水が流れ続けている

止水栓を閉めても便器内に水が流れ続けているのなら、排水の役割があるフロートバルブやオーバーフロー管で不具合が起こっている可能性が高いです。

フロートバルブやオーバーフロー管で不具合が起こると、排水が止まらないので浮き球は下降したままになり、ボールタップの給水弁も開きっぱなし。その結果、給水が止まらずに水が流れ続けてしまうのです。

タンク内で水が流れる音が止まらない場合

タンク内で水が流れる音が止まらない

誰もトイレを使っていないのにタンクから流水音がする場合には、タンク内で水漏れしている可能性があります。タンク内の水漏れ原因で考えられるのが、以下の2つです。

・排水管または手洗い管の接続部分の劣化
・フロートバルブの不具合

タンク内の配管は数箇所に分けて接続されており、接続部分にはパッキンが使われています。接続部分のパッキンが劣化すると、そこから水漏れをしてしまうのです。また、手洗い管はボールタップと蛇腹状のホースで繋がっており、ホースに穴が空くと水漏れしてしまいます。

トイレの水洗レバーを操作していないのに水が流れる時には、フロートバルブに不具合がある可能性が高いです。フロートバルブと排水口の間のゴミ詰まり、またはフロートバルブ自体の破損が考えられます。

手洗い管から水が流れ続けている場合

手洗い管から水が流れ続けている

手洗い管から水が流れ続けているときには、ボールタップの故障が考えられます。

ボールタップ自体の故障も考えられますが、他の要因によってボールタップが機能していないこともあります。たとえば、水洗レバーの鎖が絡まってフロートバルブが開閉しない、接続部分のパッキンの劣化や緩みなどです。

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「タンク内の水位」で判断する水が止まらない原因

水が止まらない原因は、タンク内の水位からも探ることができます。ここでは、タンク内に残されている水位別に考えられる原因をお伝えします。

水位がオーバーフロー管の上まである場合

水位がオーバーフロー管の上まである時には、ボールタップ周辺で不具合が起こっている可能性があります。給水機能と排水機能の両方に問題があるため、水位の調整も水の排水調整もできなくなっているのです。

水位がオーバーフロー管の下で止まっている場合

水位がオーバーフロー管のよりも下になっている場合には、フロートバルブまたはオーバーフロー管の故障が考えれます。フロートバルブが原因であれば、水洗レバーの鎖やレバー自体が故障している可能性が高いです。

また、オーバーフロー管がヒビ割れしているときにも、タンク内の水位が調節できなくなり、水位が下がってしまいます。

自分でできる修理方法

故障したり不具合が起こったりしている部分によっては、自分で修理することも可能です。ここでは、部品別の主な修理方法を紹介します。

ボールタップ・浮き球を交換する方法

ボールタップと浮き球を交換するときには、以下の手順で行ってください。

1. トイレの止水栓を閉めて水洗レバーを回し、水を流してタンクの水抜きをする
2. タンクの蓋を開けて、手洗い管と補助水管を取り外す
3. タンクと止水栓のナットを緩めて給水管とボールタップを取り出す
4. 新しいボールタップの接続部分にパッキンをつける
5. ボールタップを取り付けて、タンクとの接続部分パッキンとナットをつけて固定する
6. ナットを取り付けたらボールタップと給水管を接続する
7. 手洗い管と補助水管を取り付けて、タンクの蓋を戻す
8. 止水栓を開けて水を流し、水漏れがないかチェックする

ボールタップと浮き球を交換するときには、排水管と手洗い管の位置を必ず確認してください。確認しないまま購入してしまうと、ボールタップに管が届かないことがあります。できれば既存のものと同じ種類、または型番を選んでください。

フロートバルブを交換する方法

フロートバルブを交換する手順を紹介します。

1. トイレの止水栓を閉めて水洗レバーを回し、水を流してタンクの水抜きをする
2. 水洗レバーとフロートを繋いでいる鎖を外して、鎖はタンクの底に落としておく
3. オーバーフロー管からフロートバルブを取り外す
4. 新しいフロートバルブを穴にはめ込んで取り付ける
5. 水洗レバーの鎖を再び取り付ける
6. タンクの蓋を戻す
7. 止水栓を開けて水を流し、水漏れがないかチェックする

フロートバルブにはさまざまなサイズがあります。サイズ間違いをしないためにも型番やサイズは必ず確認しておきましょう。ホームセンターで購入するのであれば、取り外したフロートバルブを持参して大きさを比べながら選ぶことをおすすめします。

水位を調整する方法

部品の交換後やタンクの水を抜いたあと、水位調節リングで水位を調節してください。水位調節リングは、ボールタップの付け根あたりにあるキャップ状のものです。では、以下の手順に沿って水位を調節してみましょう。

1. タンクの蓋を開けて水位を確認する
2. 水位が標準よりも高い場合は「左に」、低い場合は「右に」回す

水位調節リングがある場合は、この2手順だけなのでとても簡単です。リングを90度回すごとに、約「8mm」の水位を調節することができます。水位リングがない場合には、浮き球の付け根にある「支持棒」を曲げて水位を調節してください。

水位が高いときには「下に」、低いときには「上に」曲げると調節できます。支持棒を強く曲げてしまうと折れることがあるので、中心部分をゆっくりと曲げるようにして調節してください。

オーバーフロー管の破損は業者修理へ

オーバーフロー管の交換は、必ず業者に依頼してください。交換時にトイレタンクを着脱しなければならないため、大がかりな作業になるからです。オーバーフロー管に破損が見られるときには、自分で対処しようとせず、止水栓だけを閉めて業者に連絡しましょう。

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業者修理の費用相場

ここでは、トイレの修理を業者に依頼したときの費用相場をみてみましょう。

・タンク内の部品交換(タンク着脱なし):8,000〜12,000円
・タンク内の部品交換(タンク着脱あり):12,000〜16,000円

ボールタップや浮き球、フロートバルブの交換であれば、8,000〜12,000円程度。オーバーフロー管の交換は12,000〜16,000円程度の費用となります。

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自己解決できない・判断できない場合は業者へ相談を

トイレの水が止まらないときには、止水栓と閉めたりコンセントを抜いたりなど、まずは簡単な方法を試しみてください。それでも水が止まらないときには、無理に自分で修理しようとせずに業者に依頼しましょう。無理矢理自分で修理してしまうと、水漏れがひどくなったり部品が壊れてしまったりなどの二次被害が起こることもあります。

なにが原因か判断できないときや、自分で解決できそうにないときには早めに業者に依頼をしましょう。

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